第91話 小畠左馬進との別れ

ガラシャ

荒木村重の伊丹城も丹波の八上城も包囲してどちらも長期戦みたいですが、この後はどうなるのですか?

憲三郎先生

しばらくは細々したことを処理していきます。

ガラシャ

少し一息つけそうですね。

憲三郎先生

どうでしょうか・・・。

ガラシャ

え!?詳しく教えてください。

憲三郎先生

では今回も史料を順に見ていきましょう。

ガラシャ

お願いします。

ガラシャ

お正月のお茶会ですね。

ガラシャ

こちらもお正月のご挨拶ですかね。

ガラシャ

え!?大事件です!

憲三郎先生

兵糧攻めをしている八上城で戦いがあったのだと思われます。

ガラシャ

某って事は誰に宛てたかわからないのですか?

憲三郎先生

どうやら、上から墨で消してあるようです。

ガラシャ

丹波でたくさん頑張ってくれた小畠左馬進が、なんということでしょう・・・。

憲三郎先生

これを受け光秀は動き出します。

ガラシャ

なんですか?

ガラシャ

森村左衛門尉って誰ですか?

憲三郎先生

小畠左馬進の家臣だと思われます。

ガラシャ

明智伊勢千代丸ってもしかして小畠左馬進の嫡男ですか?

憲三郎先生

その通りです。よくわかりましたね。

ガラシャ

どうして小畠では無く、明智なのですか?

憲三郎先生

史料には「忠節比類無き候」とありそれ以上は推測ですが、小畠左馬進がとても忠義を尽くしたので嫡男の伊勢千代丸が明智姓を名乗ることを許可したのだと思われます。

ガラシャ

幼少ってありますから、後ろ盾という意味も有ったのかもしれませんね・・・。

憲三郎先生

誓詞の提出を求めていますからとても深く介入しているようです。

ガラシャ

誓詞って何を誓わせたのでしょう?

憲三郎先生

大まかにいうと、明智伊勢千代丸に家督を継がせること、森村左衛門尉は明智伊勢千代丸が13歳になるまで名代を務めること、の2つだと思われます。

ガラシャ

名代とは代わりを務めること・・・それを光秀に誓うというのはとても強い後ろ盾ですね。

憲三郎先生

そうですね、それだけ小畠左馬進は忠節を尽くしたということなのでしょう。

ガラシャ

明智伊勢千代丸には健やかに育って欲しいです。

ガラシャ

鍛冶師さんですか・・・宮田村と矢代村ってどの辺りですか?

憲三郎先生

どちらも兵庫県丹波篠山市です。

ガラシャ

どうして鍛冶師を諸役免除にしたのでしょう?

憲三郎先生

史料にはありませんが、諸役免除になるときは手柄や忠節を賞す時が多いです。

ガラシャ

なるほど、何か良い働きをしたのかも知れませんね。

ガラシャ

長かったですね・・・。

ガラシャ

逐電ってなんですか?

憲三郎先生

逐電とは、すばやく逃げて行方をくらますことをいいます。

ガラシャ

逃げちゃったのですか!?ということは探して欲しいというお願いですか?

ガラシャ

一緒に探す人を吉田家からも一人ですね。

ガラシャ

早く見つかると良いですね。

ガラシャ

代官が出てきました!なにか事態が動いていそうですね。

ガラシャ

どうなるのでしょうか・・・。

ガラシャ

丹波はなんだか良い雰囲気ですね。

ガラシャ

謝するということは、与次が見つかったのですね!

ガラシャ

無事に決着がついたようで良かったです。

ガラシャ

お気に召さなかったのでしょうか・・・。

ガラシャ

どうして月経のことを吉田兼見に尋ねたのですか?

憲三郎先生

神道では死や血は穢れされています。なので、死や血に関係した場合は参拝や神棚に触れるのは控えましょうと言われています。

ガラシャ

良くないことなのですか?

憲三郎先生

氣が枯れている状態だそうで、神様が苦手とされていることだそうです。

ガラシャ

そうなのですね。

憲三郎先生

この史料には「神事のこと」とあるので、日が重なってしまった場合の対処法などを相談したのかも知れません。

ガラシャ

なるほど。

ガラシャ

この後はどうなるのですか?

憲三郎先生

八上城に動きがあります。

ガラシャ

ついに!どんな動きですか?

憲三郎先生

続きは次回です。

ガラシャ

気になります!

”小畠左馬進が討死してしまいました。
丹波ではゆっくりと状況が変わりつつあります。”