第55話 足利義昭が反旗を翻す!?
やっと気になっていた大事件について教えてもらえるんですね!
史料に残る最初の記録は、元亀4年2月6日です。
どきどきしてきました。
え!?たしか磯谷久次は前回出てきた光秀の部下ですよね、どうしたんですか?
史料では詳しい日付はわかりませんが、足利義昭が数人の武将へ内々に声をかけて今堅田と石山に陣を張らせます。
数人の武将って・・・山本対馬守・渡辺昌・磯谷久次の三人ですか?
別の資料には山岡景友・磯谷久次・渡辺昌の名前があるので山岡景友・磯谷久次・渡辺昌・山本対馬守の4名だと思われます。
あれ?山岡ってたくさん出てきているような気がするのですが・・・。
そうですね。いままでに山岡景佐と山岡景猶が登場しています。
山岡景佐って53話で出てきた光秀の部下の人ですよね?
みな兄弟で、山岡景佐が次男、山岡景猶が三男、山岡景友が四男です。ちなみに山岡景佐と山岡景猶は光秀の部下で長男の山岡景隆は勢多城城主で佐久間信盛の部下です。
ということは、山岡景友は誰の部下だったんですか?
山岡景友は三井寺光浄院の住職でしたが、足利義昭により幕臣に取り立てられ上山城の守護に補任されていたようです。
三井寺、なるほど。たしかに足利義昭はよく三井寺に滞在しているイメージがあります。
登場回数の多い寺院ですね。
足利義昭もその陣に同行していたのですか?
足利義昭は京都にある二条の将軍御所に居たようです。
なるほど、こっそり指令をだして陣を張らせていたのですね。今堅田と石山ってどの辺ですか?
今堅田と石山は今の滋賀県大津市にあります。
どうして足利義昭はその場所に陣を張らせたのですか?
どちらも、とても重要な土地だったからです。
重要な土地?
そうです。今堅田は琵琶湖水運の拠点の一つとしてとても栄えていました。そして、石山には琵琶湖からのびる瀬田川という川があり、京に向かう為の交通の要所でした。現在でも瀬田橋という大きな橋があります。
なるほど、ここを抑えられてしまうと京都に行くのが大変になってしまうのですね。ということは二手に分かれたんですか?
史料では石山に山岡景友と伊賀衆・甲賀衆が陣を張っていたとあるので、今堅田には磯谷久次・渡辺昌・山本対馬守が居たのではないかと思われます。
でも、足利義昭は京都に立て籠もるようなことをして何を狙っていたんですか?
織田信長に敵対している朝倉義景・浅井長政・武田信玄と石山本願寺の一向一揆が織田信長を討伐してくれることを狙っていたとされています。
三好勢はずっと足利義昭を狙っていた気がするのですが、大丈夫だったんですか?
織田信長を敵対する者としての連帯感や、武田信玄との内通を当てにしていたのだと思われます。
部下がたくさん足利義昭の元へ行ってしまって、光秀は大丈夫ですか?
では、2月6日以降の光秀の動向を見ていきましょう。
はい。
気遣ってくれたのですね。さすが吉田兼見です。
木戸って前に攻めた木戸ですよね?何かあったのでしょうか?
史料では詳しくはわかりませんが、地理的に今堅田とも近いので何かあったのかもしれませんね。
でも何か手柄を立ててくれたようなので良かったです。
光秀もさすがに困り果てている様子ですね。・・・某ってどういうことですか?
「書状は残っていても誰に当てた書状なのかがわかっていない」ということです。
なるほど。それがわかれば、どこと連携していたかがわかりそうですね。
ついに出陣ですね!
奥村源内ってどんな人ですか?
史料が少ないですが、湖南地域の土豪のようです。何通か光秀との書状が見つかっています。
きっと、志賀を統治するための重要人物だったのですね。
攻撃の結果は・・・。
2月26日に柴田勝家・明智光秀・丹羽長秀・蜂屋頼隆は石山城を攻略しました。山岡景友は降参し、城は柴田勝家によって破却されました。
思いの外すんなりですね。
柴田勝家とは二手に分かれたのですね。
明智光秀は湖上から西へ、丹羽長秀・蜂屋頼隆は東南から西北に向かって攻めました。
挟み撃ちですね。
正午頃、明智光秀は防衛線を突破し、今堅田城を攻め落とします。これで志賀郡の過半を制圧する事ができました。しかし、この戦により光秀は部下をたくさん亡くしました千秋輝季もその一人です。
引く抜きに戦死と光秀は悲しいことが多い戦でしたね。
それから1ヶ月ほど経った3月29日に織田信長が上洛すると、織田信長に仕えようと細川藤孝・荒木村重が逢坂まで出迎えに来ました。
ここに来て味方が増えるのは嬉しいですね。光秀はどうしているのでしょう?
どうして光秀は賀茂に布陣していたのですか?
二条の将軍御所に立て籠る足利義昭を、織田信長と合流し攻めるため待機をしていたのではないかと思われます。
いつ頃攻撃を開始するのでしょう?
京都中大混乱だったでしょうね・・・。
なんだか一件落着と言うことでしょうか。
しかし、京都での大事件はこれだけでは終わりません。
え!?
続きは次回です。
気になります。