第136話 迫り来る羽柴秀吉

ガラシャ

イエズス会を敵に回した光秀ですが、この後どうなってしまうのですか?

憲三郎先生

本能寺の変から6日後の天正10年6月8日に光秀にとっては予想外の情報が舞い込みます。

ガラシャ

え!?

憲三郎先生

史料を見て来た私たちとしてはついに来たかというところですね。

ガラシャ

詳しく教えてください。

憲三郎先生

では、今回も史料を見ていきましょう。

ガラシャ

よろしくお願いします。

ガラシャ

筒井順慶が伊賀の喜多村出羽守を褒めたということですか?

憲三郎先生

そうですね。

ガラシャ

伊賀って筒井順慶の大和とは別の国ですよね?どうして筒井順慶が褒めたのですか?

憲三郎先生

史料からは明確な理由はわかりません。おそらく、筒井順慶が何らかの形で徳川家康の伊賀越えに関わっていたとのではないかと思われます。

ガラシャ

ここまでの雰囲気では光秀の味方のようなので、可能性は高そうですね。

ガラシャ

不慮の吉事・・・。思いがけなくうれしいことが起きた。ということでしょうか?

憲三郎先生

そうですね。毛利輝元としては本能寺の変がなければ和睦とはならなかったでしょうから、ありがたかったのでしょうね。

ガラシャ

村上元吉って誰ですか?

憲三郎先生

村上元吉は毛利輝元の家臣で能島村上水軍の頭領です。

ガラシャ

和睦と言えば、羽柴秀吉はどうしていたのですか?

ガラシャ

ついに出陣してくるのですね・・・。光秀は知っているのでしょうか?

ガラシャ

とても早い段階で情報を手に入れていたのですね。

憲三郎先生

通常の情報網ではなかなか考えにくい早さですね。

ガラシャ

光秀は羽柴秀吉の行動をとても気にしていたということですか?

憲三郎先生

そうですね。姫路城への入場を見張っていた、なんてことがあったのかもしれませんね。

ガラシャ

事態が急展開を迎えますね・・・。たしか吉田兼見が安土に来ていましたよね?

憲三郎先生

吉田兼見の記録を見てみましょう。

ガラシャ

はい。

ガラシャ

早天とは夜明けの空。また、夜明けの頃。早朝。・・・随分早くに出発したのですね。

ガラシャ

早朝に出発した吉田兼見が知っているということは、光秀も随分早くに出発したのですね。

憲三郎先生

史料からはわかりませんが、おそらく羽柴秀吉軍の急接近の知らせを受けて急いで軍を出発させたのでしょうね。

ガラシャ

予想外だったのかもしれませんね。・・・吉田兼見は無事に京都に戻れたのでしょうか?

ガラシャ

委細とは細かいことまですべて。万事。・・・どんなことを誠仁親王にお話ししたのでしょうか?

憲三郎先生

朝廷への御礼申し入れの意向などのようです。
しかし、これも兼見郷記正本では、吉田兼見が誠仁親王へ光秀との談合内容を上奏したことを削除されています。

ガラシャ

朝廷と光秀との関りは記録に残してはいけなかったのですね・・・。

憲三郎先生

この後、光秀は上洛します。

ガラシャ

誠仁親王とお話しするのでしょうか?

憲三郎先生

続きは次回です。

ガラシャ

気になります!

”羽柴秀吉軍が急接近との知らせが入り、光秀も軍を派遣します。”