第１０９話　一色氏の知行と鳥取城降伏

丹後の知行について動きがありました。

では、史料を順に見ていきましょう。

天正９年９月４日に織田信長は、細川藤孝へ丹後の一色の知行出来分を光秀に預けることとしたので、相談すべきことを命じました。

一色満信です。京都馬揃えでは旧幕臣衆という班で行進しました。

９月７日に織田信長は、光秀へ丹後の一色の知行出来分前後合わせて二万石を今度の検地による員数で引き渡すことを命令し、残りの分は細川藤孝に渡すべきことを通達しました。

史料からはわかりませんが、光秀が丹後を治めた様子も見えませんし、一色氏はその後も丹後に居たようです。

諸説あるようで断言はできません。もう少し史料がでてきて、解析が進めば色々わかるかも知れません

９月１０日に織田信長は、細川藤孝・光秀へ矢野知行の出目分を細川藤孝に遣わしました。

矢野虎村だと思われます。三好氏の一族・十河存保の家臣で矢上城主です。

矢上城は今の徳島県板野郡藍住町にあったお城で、現在は祠が残っているそうです。

史料からはわかりませんが、領地から納められた税金の余剰分を渡すということだと思います。

９月２４日に織田信長は、細川藤孝へ松井康之・加悦勘十郎が出雲・伯耆境目で相働き敵船数艘切取、二十五人討取捕えたと、羽柴秀吉より折紙が到来し、粉骨比類なしと忠節を褒めました。

松井康之の武功を保証するものです。

そうです。そして、織田信長が細川藤孝へ松井康之を褒めた。ということです。

１０月６日に明智秀満は、天寧寺光秀判形による免許状を下しました。

織田信長の朱印状と同様に光秀からの命令だと証明するための判だと思われます。

そして、この後鳥取城で動きがあります。

１０月２５日に毛利勢が籠城していた鳥取城が降伏し、開城しました。

この兵糧攻めは「鳥取の飢え殺し」といわれるほど凄惨であったと有名です。その凄惨さがゆえにたくさんの人が餓死した為、毛利勢が降伏したようです。

次に光秀の史料が出てくるのは１１月１９日です。この日に光秀は、紹巴らと五吟一日千句を詠みました。光慶・梅松丸・亀菊らは各一句詠みました。

この後、光秀は再び明智家の掟を作ります。

続きは次回です。