第107話 重要人物「妻木」の逝去

ガラシャ

光秀にとってとても重要なことって何が起こっていたのですか?

憲三郎先生

妻木が逝去しました。

ガラシャ

え!?詳しく教えてください!

憲三郎先生

では、史料を見ていきましょう。

ガラシャ

よろしくお願いします。

ガラシャ

ツマキって光秀の義妹で織田信長のお世話係りの妻木のことですよね。

憲三郎先生

そうです。

ガラシャ

そういえば、妻木って光秀の正室も妻木氏の人なのですよね?どんな家なのですか?

憲三郎先生

土岐光定の9世の孫である彦九郎弘定がその根拠地であった妻木郷から妻木氏を称したことに始まるといわれています。

ガラシャ

妻木郷ってどのあたりですか?

憲三郎先生

今の岐阜県土岐市妻木町のあたりです。

ガラシャ

ということは光秀と同じ土岐氏の流れなのですね。

憲三郎先生

そうです。同じ土岐氏の庶流である明智家とは深い関係があったといわれているそうです。

ガラシャ

8月7・8日頃というと英俊が近日中に光秀が来るかも。と言っていたあたりですよね?

憲三郎先生

もしかすると、この妻木の一件で伸びてしまったのかもしれないですね。

ガラシャ

「織田信長の一段のキヨシ」ってどういう意味ですか?

憲三郎先生

キヨシを「気好し」と読み、織田信長の一番のお気に入りという意味だそうです。

ガラシャ

なるほど、織田信長が気に入るほどの気性が良い人ということですか。光秀も義妹を亡くしたとなれば気落ちもしますよね・・・。

憲三郎先生

光秀がとても落胆したのは、義妹だというだけでは無いかもしれません。

ガラシャ

どういうことですか?

憲三郎先生

史料には残っていませんが、光秀にとってこの妻木という人は織田信長と光秀をつなぐ大事な人だったのではないかと思われます。

ガラシャ

どんなことをつないでいたのですか?

憲三郎先生

おそらく織田信長についての情報だと思われます。その証拠としてフロイスが「光秀は信長の好をよく知っていて贈り物を絶やさなかった」と史料に残しています。

ガラシャ

情報ってそんなに大事なものですか?

憲三郎先生

贈りものから戦まで情報の有無が勝敗を分けるといっても過言ではありません。情報戦では羽柴秀吉がとても有名ですね。当時はお寺や神社などにもよく情報が集まってきました。

ガラシャ

たしかに、英俊や吉田兼見はとても情報通のイメージがあります。ということは、情報源を失った光秀は落胆したということですか?

憲三郎先生

情報源が妻木一人ではなかったと思いますが、とても大きな損失であったことは確かだと思われます。

ガラシャ

気立てがよくて、義妹で、仕事の上でも重要人物・・・大きすぎる損失ですね。

憲三郎先生

そしてこの後、光秀の周りが少し騒がしくなりそうです。

ガラシャ

え!?どうなっていくのですか?

憲三郎先生

続きは次回です。

ガラシャ

気になります!

”光秀は、織田信長の情報を得るための、大事な人を亡くしました。”