明智光秀の歴史をやさしく解説
教えて憲三郎先生！！第５７話 足利義昭、敵対再び。そして改元
足利義昭の再びの敵対です。どうしましょう？
これが前回言っていた、舟の大活躍ですね！
舟を作っていたおかげで、上洛にかかる時間をとても短縮することができました。
あっという間に、二条の将軍御所は制圧できてしまいましたね。
そうですね、しかし足利義昭は槙島城に立て籠もっているため、まだ解決とは行きません。
槙島城ってどこですか？
槙島城は今の京都府宇治市槇島町です。今も城跡が残っています。
京都の南の方なのですね・・・。すぐ出発ですか？
足利義昭と関係が悪くなってしまったから、前に言っていた武者小路に建つはずのお屋敷もなくなってしまったんですね。
そうですね。しかし、吉田山を検分したところ築城には適さないことが判明し、吉田兼見は安堵したそうです。
領地が減らずに済んで良かったですね。槙島城はいつ攻めに行くのですか？
光秀は行ったんですか？
はい。光秀も参陣しました。翌日１７日に槙島城は陥落し、さらに翌日１８日に足利義昭は降伏し、河内の若江城へ送り届けられることになりました。
若江城ってたしか三好義継の居城でしたよね？
その通りです。良く覚えていましたね。
あれ？たしか三好義継って謀反していましたよね？
そうですね。その後、和睦したという史料も見つかっていません。
え？どうして敵のところに？
京都から追放するためだったのですが、史料からは若江城に追放された理由はわかりません。
手がかりも無いのですか？
確証はありませんが、三好義継は足利義昭の妹を娶っているので、この関係かもしれません。追放される足利義昭を三好義継が匿ったという説もあるようです。
追放ってどんな感じだったんでしょう・・・。
史料によると嫡男を人質として預かり、警固として羽柴秀吉をつけて若江城まで送り届けたようです。
想像より守られていました・・・。
そうですね。ただ、移動は徒歩だったようです。
・・・それは、警固する羽柴秀吉も大変でしたね。でもこれで一件落着ですか？
まだ問題は残っていました・・・。
そして織田信長は、村井貞勝に天下所司代を命じます。
天下所司代ってなんですか？
京都に設置された行政機関で、京都の治安を管轄する地位のことです。そして今後光秀は村井貞勝を手伝う事になります。
足利義昭を追放したので行政も合同では無く引き受けるようになるのですね。光秀の経験が役に立ちそうです。
そしてさらに織田信長は、かねてより問題だった改元の申請を行います。
１７条で出てきていた件ですね。この日の織田信長は大忙しですね。
忙しさはまだまだ続きます。
静原山城攻めですね。
吉田兼見のお家ですね。
翌日７月２４日に光秀は、静原山城へ出陣します。
静原山城ってどこにあるんですか？
今も京都府京都市左京区静市静原町に城跡が残っています。吉田神社からは約１０～１５㎞の距離です。
京都の北の方ですね。
あれ？ここにも光秀が？
静原山城と木戸城・田中城は近いので包囲組と分かれて織田軍に合流した可能性があります。
たしかに山を下りたらすぐかもしれませんが・・・。当時の武将の体力には度々驚かされます。
その後、織田信長は林員清の館に陣を据えて高島郡内の浅井軍の支配地をことごとく焼き討ちします。
なんだか焼き討ちが久しぶりに思えてきました・・・。林員清って聞いたことあるような気がするのですが誰ですか？
近江の打下という土地の土豪です。織田軍の一員というより、織田信長の協力者という方が近いかもしれません。
あ、前に一緒に舟を作った人ですね！
そうです。そして高島に在駐している織田信長の元に石成友通の首が届きます。
石成友通って１７条に出てきた足利義昭に融通してもらった人です！首が届くってなかなか衝撃的な言葉ですね・・・。
石成友通は足利義昭の命令で淀城に立て籠もっていたので、織田信長は細川藤孝に命じて攻めさせていました。
色々なところで足利義昭が敵対した後始末をしていたんですね・・・。
そうですね。そして織田信長の京都凱旋から１週間たった7月28日に元号は改元され「元亀」から「天正」になりました。
無事に申請が通ったのですね。でも・・・ということは朝廷も足利義昭の追放は認めたと言うことなのですね。
そして各方面で一段落ついた織田信長は８月４日に岐阜に帰還しました。
お疲れ様でした。・・・あれ？そういえば光秀はどうなりましたか？
史料には書かれていませんが、おそらくどこかの段階で織田軍と分かれて静原山城包囲に戻ったと思われます。
光秀もまだまだ忙しい日々ですね。
そして次回は朝倉・浅井軍との戦いです。
ついに！決着が！？気になります！
