第５１話　小谷城の浅井長政を攻めましょう。

そうです。小谷城の浅井長政を攻めるため、織田信長は元亀３年７月１９日に出陣、２０日に横山城へ陣を据えます。

そして２１日に浅井長政の居城小谷城へ進撃、雲雀山・虎御前山に陣を張り、周辺の町を破壊します。

どちらも小谷城から約１.５Kmほどの距離です。

いいえ、２２日にまずは阿閉貞征が立てこもる山本山城の麓を焼き払います。そして応戦してきたところを制圧します。

浅井長政の家臣で山本山城を居城にしていた武将です。

小谷城の西側の琵琶湖の側にありました。今も城跡が残っています。小谷城との距離は約８㎞ほどです。

そうです、そして山本山城を制圧した織田軍は、２３日に余呉・木本の一帯の名所・旧跡を焼き払います。

「越前との国境付近」と史料にあるので、朝倉義景を意識していたのかもしれません。

そのとおりです。そして翌日の７月２４日、この日は一揆勢制圧のため二手に分かれて攻めていきます。

一方は小谷城から東に１０Kmほど離れた場所にある草野の谷を焼き払います。

この山にある寺院に一揆勢が立ても籠もっていた為です。焼き払った後、夜間に背後の山から攻め上がり一揆勢を殲滅しました。

もう一方は、琵琶湖からの攻撃です。

信長の命を受けて事前に林員清・光秀・猪飼野正勝・山岡景猶・馬場孫次郎・居初又二郎が建造していた囲舟で、海津浦・塩津浦・与語湖岸などの敵地を焼き払い、竹生島を火矢・大筒・鉄炮で攻撃。一揆勢を殲滅しました。

日本の歴史からすると船は西暦６００年頃、遣隋使の時代から屋根のある箱型構造の船が用いられていたようです。

改めて史料を見ると当時のイメージがわきますね。

どのように、いつから作っていたのかという史料がないので詳しいことはわかりませんが建造に携わり、舟戦に参戦していたのは確かだと思われます。

北近江各所の一揆勢を殲滅した織田軍は、７月２７日に虎御前山に城を作り始めました。

さらに虎御前山城と横山城の間に２カ所の砦を作りその間に道を通し、さらに敵陣に側の路肩には土塁を作り、そしてその土塁の外には川を作りました。

そうですね、史料には築城の理由は書かれていませんが、元亀元年の時のように京都に攻め込まれない為に防御態勢を強化したのかもしれません。

虎御前山城着工を知った浅井長政は、朝倉義景に「織田軍が弱り果てている、朝倉軍がきてくれたら討つことができる」と虚偽の報告をして援軍を要請しました。

朝倉義景は７月２９日に１万５千の軍を連れて小谷城にやってきました。しかし、状況を見て対抗できないと思い、小谷城の後方さらに高山の大獄に陣を張るほどでした。

いいえ、織田軍の攻撃は普請中も続きます。織田信長は足軽衆に、朝倉軍攪乱のため忍んで攻撃するように指示を出します。

手柄に従い褒美を用意したようで士気はとても高かったようです。

ただ、浅井長政が落とされてしまうと次は朝倉義景ですよ？

そうこうしているうちに、朝倉軍から数名の武将が出頭してきました。８月８日に前波吉継父子３人、９日に富田長繁・戸田与次・毛屋猪介の計6名です。

史料の前後の文を見て考察すると、「状況を鑑みて織田軍につくという判断をした」ということだと思います。

織田信長は虎御前山城完成すると木下藤吉郎を城に残し、横山城に引き上げることにします。撤退する前に朝倉義景に「一戦交えよう」と使者をだしますが返事はもらえず、織田信長は９月１６日に横山城へ引き上げました。

そして次回、京都で事件が起きます。