第３７話　野田・福島の戦い

そうですね。この後またひと波ふた波ありますが、今はしばし膠着状態です。

そうですね、そちらも膠着状態です。

そんな隙を突いたわけではないでしょうが、元亀元年8月に織田信長の上洛で摂津を追い払われていた三好勢が、巻き返しを図り摂津に兵を進めてきました。

こちらも決着がついていませんからね。今回の三好勢は野田・福島に立てこもりました。

今の大阪府大阪市福島区のあたりです。野田城が三好勢の拠点となりました。今は石碑が残されています。

福島城を築城したという記述や説はあるものの詳しい場所はわかっていません。

史料にはありませんが、織田軍・幕府軍が朝倉・浅井軍との戦いのために長く京から離れていたので好機と思ったのかもしれません。これには３２話で少しお話しした池田勝正も関係があります。

6月に池田勝正の家臣の荒木村重（姉か妹の夫）と池田知正（兄）が三好勢に寝返り、池田勝正は池田城から追放されます。

時系列としては６月に池田城を乗っ取り、8月には野田・福島に立てこもっています。

史料には、細川昭元・三好長逸・三好康長・安宅信康・十河存保・篠原長房・石成友通・松本某・香西越後守・三好正勝・斎藤龍興・長井道利らの軍勢８千ほどとあります。

長井道利も斎藤道三・義龍・龍興の斎藤家3代に仕えた重臣で美濃時代にきっと関わりのあった人物ですね。

織田信長は、元亀元年8月20日、摂津の野田・福島に陣を構える三好勢を討つために岐阜を出陣します。

しばし京都で待機です。