第20話 足利義昭と上洛しよう!その2~上洛ってどうするの?~

ガラシャ

織田信長が上洛を手伝ってくれます!でも今は朝倉義景のところに居ますよね?迎えに来るにしてもとても気まずいことになりそうな気がしますが・・・。

憲三郎先生

そうですね。なので案内役に和田惟政・村井貞勝・島田秀満を派遣して織田信長は美濃の立正寺で足利義昭の到着を待つことにしました。

ガラシャ

立正寺?どの辺にあるんですか?

憲三郎先生

立正寺は今の岐阜県岐阜市西荘にあります。

ガラシャ

光秀達はいつ頃立正寺に到着したんですか?

憲三郎先生

永禄11年7月25日到着しました。織田信長は鎧武具などの様々なお宝と共にお出迎えしました。

ガラシャ

さて、いざ上洛!後は京都に行くだけですね!

憲三郎先生

上洛といってもお散歩ではありません。まず道中の領主に便りをだし上洛を邪魔する者を倒しながら進んでいきます。

ガラシャ

え、想像していたより大変そうです。ということは戦いの連続なんですね。最初はどこですか?

憲三郎先生

まずは琵琶湖の南側を通ります。六角氏に使者を出しましたが聞き入れてもらえません。永禄11年9月14日に六角氏の居城である観音寺城を攻め落とします。観音寺城は今も滋賀県近江八幡市安土町に城跡が残っています。

ガラシャ

六角氏!度々出てきた六角氏ですね!

憲三郎先生

六角氏はそもそも源氏の名門近江佐々木氏で、京極氏と共に佐々木氏を引き継ぐ名家です。この時の当主は六角義(よし)賢(かた)(後に出家し承(じょう)禎(てい)となる)です。そして永禄11年9月24日大津の瀬田で琵琶湖を渡るために船を手配します。足利義昭は27日に琵琶湖を渡り三井寺の光浄院に到着します。三井寺は今の滋賀県大津市園城寺町にあり今もその姿を見ることができます。

ガラシャ

光秀も織田信長も一緒にいたんですか?

憲三郎先生

光秀は幕府方の細川藤孝の家臣なので一緒に居た可能性はありますが、織田信長は前日の26日に琵琶湖を渡りました。一足先に三井寺に入り極楽院(今の圓城寺)を拠点にしました。このときほかの軍勢は少し南の馬場・松本に待機していました。

ガラシャ

同じお寺の別棟という感じですかね?安全を確保したんでしょうか?

憲三郎先生

そうですね。永禄11年9月26日清水寺に布陣しているので足利義昭の安全な拠点を作るためかもしれません。

ガラシャ

布陣?布陣とは・・・自分の陣地にした。拠点にした。ということですね?次はどことの戦いですか?

憲三郎先生

永禄11年9月28日細川昭元と石成友通の立て籠もる青竜寺(今の勝竜寺:京都府長岡京市)を攻めます。石成友通は降参し一行は清水寺に移ります。

ガラシャ

まだ戦いは終わらないんですね。次はどうなるんでしょう?

憲三郎先生

永禄11年9月30日に山崎に到着。三好長逸(ながやす)の居城である芥川城を攻め三好長逸は退散。そして一行は芥川山城に移り「摂津三守護」であった和田惟政を城主に据えました。このときに越水・滝山にいた篠原長房も退散しています。

ガラシャ

お城が3つ出てきました芥川山城と越水城と滝山城ですか?

憲三郎先生

芥川山城は今の大阪府高槻市、越水城は今の兵庫県西宮市、滝山城は今の兵庫県神戸市中央区にあり芥川山城と滝山城は城跡が、越水城は石碑が残っています。

ガラシャ

ついに三好勢も破って上洛完了ですね!

憲三郎先生

いいえ。10月2日に摂津にある池田勝正の居城である池田城(今の大阪府)を攻めます。激しい戦の後、池田勝正は降参しました。この間芥川山城で待つ次期将軍の足利義昭の元にはたくさんの人が会いに来たようです。

ガラシャ

でもどうして京都を通り過ぎてまで攻めて行ったんですか?

憲三郎先生

このとき織田信長の上洛についてわかる史料にには「こうして畿内・隣国は皆、支配に従った。」とあります。

ガラシャ

畿内って何ですか?隣国?そうか!まわりも仲間じゃなきゃ危ないですもんね。

憲三郎先生

畿内は今でいう首都圏のような意味で山城・大和・河内・摂津・和泉(今の京都南部・奈良・大阪東部・大阪府北中部および兵庫県神戸市あたり・大阪南西部)のことをさします。永禄11年10月14日京都本圀寺に入ったときには一安心だと思ったそうです。

ガラシャ

足利義昭はいつ将軍になれるんですか?

憲三郎先生

細川昭元の邸を足利義昭の御殿とし住処を移し10月18日征夷大将軍に任命されます。

ガラシャ

あれ?そういえば先に将軍になっていた足利義栄はどこにいってしまったんですか?

憲三郎先生

永禄11年9月30日には病気を患っていた14代将軍・足利義栄は死去したという説もありますが定かではありません。史料には10月に阿波国(今の徳島県)で病没したとあります。

ガラシャ

それはなんとも悲しい最後です。

憲三郎先生

そうですね。

ガラシャ

さて、これからいよいよ京都での生活。次回が楽しみです!

”足利義昭は織田信長の力を借りて上洛に成功し将軍になりました。この上洛に光秀も随行していた。”